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「海軍めしたき物語」

2008年03月30日 21:59

タイトルの「海軍めしたき物語」と、その続編「海軍めしたき総決算」は、かつて新潮社から出版されていた名作です。旧海軍の一水兵だった、著者の高橋孟さん(本名:祀三)の視点から描かれたノンフィクションのエッセイと言えばいいんでしょうかね?
海軍めしたき物語(カバー) ← 「海軍めしたき物語」
この2冊は神戸新聞社で時評漫画を描いていた高橋さん自身の挿画の量も多く、とても読みやすく、当時の状況なども理解しやすいものになっています。
「海軍めしたき物語」では、郷里の徳島から東京に出て製図工として働いていた高橋さんが東京駅で見掛けた海軍主計科兵の姿に憧れて、徴兵検査で第二志望を海軍主計科にします(第一志望は機関科)。
第二志望が通り、佐世保海兵団(佐世保鎮守府)に入団したんですが、そこで初めて知った事実が“めしたき兵”に徴用された、という事実でした。
その後高橋さんは戦艦「霧島」に乗って“めしたき兵”として大きな飯しゃもじ(ボートのオール並み)を振るう“海軍兵”となったのですが、この飯しゃもじが罰直の尻打ち道具でもあったそうで・・・「霧島」は機動部隊の戦艦でしたから、高橋さんハワイ奇襲作戦ミッドウェイ海戦に参加していた訳ですが、下甲板の烹炊所で働く高橋さんたちにカッコイイ場面は全くなかったそうです。その後高橋さんは転勤で呉の潜水学校(潜水艦の乗員の学校)、東京の海軍経理学校に入校、更にフィリピン周辺の沿岸警備をしていた砲艦「武昌丸」に転属になります。そして「武昌丸」が米潜水艦の魚雷攻撃で沈んで南シナ海を漂流中にフカに脚の一部を喰われ、ベトナム(当時はフランス領で非交戦国)のサイゴンにあった海軍病院に入院するまでを綴ってあります。
ご意見、ご感想はこちらへどうぞ!
続編の「海軍めしたき総決算」はサイゴンの海軍病院や、「武昌丸」で巡ったフィリピンのスナックやその周辺の土地、「霧島」時代の思い出から始まり、日本に戻って鹿児島の串良航空隊に転属となります。
海軍めしたき総決算(カバー)
続編「海軍めしたき総決算」 → 
そして遂に敵機による空襲が始まり、右往左往する高橋さんら串良航空隊の兵隊たち・・・そして終戦(敗戦ですよねェ)を迎え、終戦の混乱の中、また聞きの「解散命令」を聞いてから、同郷の機関兵曹に誘われて、やはり同郷の兵たち(兵科はバラバラ)と徒歩と船で帰郷します。帰郷するとすぐに海軍から呼び出され、志布志町(当時)に置かれた主計科の経理事務所で残務処理に当たります。その後は串良航空隊の分隊士に頼まれて上海などからの引揚者を乗せる復員船(海防艦)で物資の管理を担当する係として働いたところまでを綴ってあります。
この2冊の本は戦争という特殊な状況下におかれた、何の変哲もない青年が“めしたき兵”になってからの様々な体験談が綴られている訳ですが、改めて読むと色々考えさせられる事が多い作品です。特に「海軍めしたき総決算」のあとがきで、高橋さんはこんな事を書いています。
(前略)
 太平洋をはさんだ緒戦は、職業軍人は勿論のこと、徴兵組の私達でさえ、胸をたたいて「勝ってくるから、任せておけ!」と威張っておりました。今から思えば、恥ずかしいことであります。
 だからと言って、敗戦の責任がどこにあるかは難しい問題です。敗けた責任を問い、誰かに責任を取らせれば済むとしたら、勝ちさえすれば戦争はいくらでもやっていいということになります。
(後略)
元々「海軍めしたき物語」新潮社の雑誌「面白半分」に昭和52年(1977年)1月号から昭和54年(1979年)3月号まで連載されていたものをまとめた上で加筆修正したものでした・・・初版は昭和54年(1979年)8月18日となっています。「海軍めしたき総決算」「海軍めしたき物語」が好評だった事、フカに咬まれた“めしたき兵”のその後が知りたいという読者の声を受けての続編となったそうです。初版は昭和56年(1981年)7月13日ですね。
実は今日は高橋孟さんの命日だという事を、つい最近知りました。知ったのはたまたま「海軍めしたき物語」についての情報はないかな?と思って検索していた時で、“Naoko's Diary”さん2004年9月の日記がヒットしたからなんです・・・平成9年(1997年)3月30日没、享年は喜寿(77歳)だったそうです。
復刊ドットコムでも復刊希望が多いみたいですね・・・投票数が判るのは会員のみですが。(こちら)
※この記事は書きかけです。タイトルや内容その他が変更される可能性があります。
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