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日航機の無断滑走開始ミス

2008年02月18日 22:00

晴れ
2月16日、北海道・新千歳空港で新千歳発羽田行きの日本航空502便(ボーイング747-400型機/乗員・乗客446名)が管制官の許可を受けないまま着陸機(日航2503便・MD-90型機/乗員・乗客126名)がいる滑走路に進入、離陸滑走を始めてしまった事故がありましたね。
当初の報道を見ていると、日航502便に非難が集中していました・・・これは感情論から言っても当然でしょう。
しかし管制官の側にもかなり深刻に捉えなくてはならないミスがあったようです。
通常は滑走路が空いて、当該航空機に離陸滑走を許可する時にしか使用してはいけない「テイクオフ」(Take-off:離陸)という単語を使って日航502便に指示を出していた、というのです。これでは悪天候で出発が遅れ、離陸を焦っていた日航502便のパイロット側が勘違いをしてもおかしくはありません。
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読売新聞記事からの引用です。
着陸機いるのに離陸滑走、JAL機同士あわや追突…新千歳
 16日午前10時33分ごろ、北海道・新千歳空港のB滑走路(3000メートル)で、羽田行き日本航空502便(ボーイング747―400型機、乗員乗客446人)が管制官の許可を得ずに離陸の滑走を始めた。
 同じ滑走路上には、着陸したばかりの別の旅客機がいたため、管制官が離陸中止を指示し、502便は緊急停止した。両旅客機の距離は約1800メートルだった。けが人はなかったが、国土交通省航空・鉄道事故調査委員会は事故につながりかねない重大インシデントだったとして、調査官3人を現地に派遣し、調査を始めた。
 新千歳空港の管制業務を担当する自衛隊や日航などによると、16日の同空港は大雪に見舞われ、502便は機体の除雪作業のため出発が定刻から約50分遅れていた。当時のB滑走路は視界が約500メートルで、ほとんど前が見えない状態だった。管制官は午前10時29分ごろ、502便に無線で「ただちに離陸できるよう準備せよ。着陸機が滑走路を走行中」と指示。その後、地上監視レーダーで502便が離陸を始めたことを知り、急いで離陸中止を指示した。同型機の離陸に要する時間は20~25秒程度とされる。
 日航によると、502便は管制官から離陸中止の指示を受けた時点で、滑走路をすでに約500メートル進んでいた。ブレーキをかけた時の速度は時速110キロだった。同便の機長(58)と副操縦士(32)は「(管制官から)離陸許可が出たと勘違いした」と話しているという。
 一方、同じ滑走路上にいた関西空港発日航2503便(MD―90型機、乗員乗客126人)は、トラブルが発生する5分前に着陸したばかりで誘導路に向かう途中だった。新千歳空港では、2005年1月にも日航機が無断で離陸しようとして別の旅客機とあわや追突のトラブルを起こすなどしたため、日航は同省から事業改善命令を受けている。
(2008年2月17日01時42分 読売新聞)

ただ日航502便のパイロットたちも焦るあまり、パイロットとして重要な諸々の事を置き忘れてしまった点は非難されて当然でしょうね・・・。
1.防氷液の効果切れに対する焦り。
2.滑走路が閉鎖される可能性に対する焦り。
1.の防氷液とは、機体に着氷を防止するために散布するもので、その効果は40~80分程度です。大空に舞い上がってしまえば空気と機体との摩擦熱で着氷はほとんどあり得ませんが、地上ではそうは行きません。この効果が切れると見込まれた時は駐機場に戻って再度防氷液の散布を施さなければなりません。
2.は雪で積雪量が多い場合、安全のために滑走路を一定時間閉鎖して、除雪作業を行う必要が生じます。離着陸する航空機の間隙を縫っての除雪作業は、航空機、地上作業班の双方にとって危険が大きいからです。
ただ、滑走路が閉鎖になると、当該空港からの出発予定機は大幅に遅延する事になり、場合によっては飛行自体がキャンセルになります。当該空港への着陸予定機は代替空港への飛行を余儀なくされてしまいます。

あまり知られてはいない事ですが、実はパイロットの重要な仕事として待機があります。それに伴う資質として忍耐強さがある訳です。今回の場合、日航502便は引き返してでも防氷液の再散布要請と、飛行の安全のためにもそうした作業が必要だと乗客に説明すればよかったと思います。中には遅延に怒る乗客もいるとは思いますが、そちらの選択肢を選んだ方がよかったのではないでしょうか?
また、降雪による悪天候で視程が悪いので、新千歳空港管制塔に本当に滑走路が空いているかどうかを確認要請をしてもよかったでしょう。そうすれば管制官にとっても注意喚起になったと思いますが・・・。

今回は昭和52年(1977年)3月27日に発生した「テネリフェ空港ジャンボ機衝突事故」のように滑走路上で着陸機と離陸機が衝突すると言う最悪の事態には至らなかった事は幸いでしたが、一歩間違えば起こっていてもおかしくはなかったのです。

ミスが重なると大事に至る事は過去の事例からも明らかです。前述した「テネリフェ空港ジャンボ機衝突事故」の場合、悪天候(濃霧)と無線通信の混信など、いくつもの悪条件が重なった、典型的な事故ですからね。日航だけでなく、パイロット航空管制官の皆さんは、今回の事案を自分の起こした事と考えて、空の安全のためにも一層の注意喚起を怠りなきようお願いします。
※この記事は書きかけです。タイトルや内容その他が変更される可能性があります。
※2008年02月21日(木):加筆・修正。
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